歯茎から出血したり、歯がグラグラするなどの症状に心当たりはありませんか?それは「歯周病」のサインかもしれません。歯周病は、むし歯と並んで日本人に多く見られる口腔トラブルであり、自覚症状が少ないまま進行することが特徴です。特に「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯茎の隙間の深さは、歯周病の進行具合を測る大切な指標です。今回は、歯周病の判断基準や、歯周ポケットのセルフチェック方法、そして症状が見られた際の対処法について解説します。
1. 歯周病の判断基準とは?セルフチェック方法
歯周病とは、歯を支える歯茎や骨が炎症によって破壊されていく病気です。進行すると、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。では、歯周病かどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。
①歯茎の腫れ・出血
もっとも一般的なサインは、歯茎の腫れやブラッシング時の出血です。初期段階では痛みを感じにくいため、出血が続く場合は注意が必要です。
➁歯周ポケットの深さ
歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」の深さは、歯周病の進行具合を判断する重要な指標です。健康な状態では1〜3mmですが、4mmを超えると歯周病の可能性があり、8mm以上では重度とされています。
➂口臭や歯の動揺
慢性的な口臭や、指で触ったときに歯が揺れる感覚がある場合も、歯周病の兆候である可能性が高いでしょう。骨が溶けて歯が不安定になるためです。
<セルフチェック方法>
鏡の前で歯茎を観察し、赤く腫れていないか、歯と歯茎の境目を指で押して出血がないかを確認しましょう。また、糸ようじを使った際に出血する場合も、歯周病の疑いがあります。
日常的なセルフチェックに加えて、定期的に歯科医院で専門的なチェックを受けることが、早期発見と予防の鍵となります。
2.歯周ポケットの深さが示す歯周病の重症度
歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目にできる溝のことで、健康な人でもわずかな隙間があります。しかし、歯垢や歯石がたまることでこの溝が深くなり、歯周病が進行しているサインとなります。歯周ポケットの深さごとに、歯周病の重症度は以下のように分類されます。
①1〜3mm:健康な状態
歯茎が引き締まり、歯としっかり接している状態です。歯垢や歯石の蓄積が少なく、炎症の兆候も見られません。
➁4〜5mm:軽度の歯周病
歯茎にわずかな炎症が見られ、ブラッシング時に出血することがあります。歯垢が歯茎の下に入り込み始めている状態で、丁寧なブラッシングと歯科医院でのクリーニングが必要です。
➂6~7mm:中等度の歯周病
歯茎の腫れや出血が顕著で、歯を支える骨の吸収も始まっている可能性があります。歯が浮いたように感じたり、噛みにくくなることがあります。この段階では、専門的な歯石除去や、場合によっては外科的な処置が必要になることもあります。
④8mm以上:重度の歯周病
歯槽骨の大部分が破壊され、歯がグラグラする状態です。強い口臭や膿の排出も見られ、日常生活にも支障をきたすことがあります。抜歯や歯周外科治療が必要になるケースも多くなります。
<歯周ポケット検査の流れ>
歯科医院では、プローブという専用の器具で歯周ポケットの深さを1本ずつ測定します。測定結果は記録され、進行具合の把握や治療計画に活用されます。
このように、歯周ポケットの深さは歯周病の進行度を知るための大切な情報です。自覚症状が少ないからこそ、定期的に検査をして現状を把握することが重要となります。
3. 歯周病の疑いがある場合の対処法
歯周病が疑われる場合には、自己判断で済ませず、早めに歯科医院を受診することが重要です。特に出血や腫れ、歯の動揺などの症状がある場合は、早期に専門的な処置を受けることで、症状の進行を抑えやすくなります。
①スケーリング(歯石除去)
軽度の歯周病の場合は、歯科医院で歯垢や歯石を除去する「スケーリング」を行います。歯茎の腫れや出血を引き起こす細菌の温床を除去することで、炎症の改善が期待されます。
➁ルートプレーニング(歯の根面の清掃)
歯周ポケットの中に入り込んだ歯石や細菌を、根面から丁寧に除去する処置です。専用の器具で根面を滑らかに整えることで、再び細菌が付着しにくい環境を作ります。
➂歯周外科治療
中等度から重度の歯周病では、通常のクリーニングだけでは改善が難しい場合があります。その場合には、歯茎を一部切開して、さらに深い歯石や感染組織を取り除く外科的治療が検討されます。
④生活習慣の見直し
歯周病の進行には、日常の生活習慣が深く関係していると言われています。特に喫煙は歯茎の血流を悪化させ、歯周病を悪化させる要因になることがあります。禁煙を含めた生活習慣の改善が、治療効果にもつながります。
⑤定期的なメンテナンス
治療後も歯周病は再発しやすいため、3~6ヶ月に一度は定期検診を受け、口腔内の状態を維持することが推奨されます。歯科医師によるチェックとプロフェッショナルケアを継続的に受けることで、再発防止につながります。
歯周病は、放置すると回復が難しい病気ですが、早期に適切な対応を取ることで健康な口腔環境を取り戻すことが期待できるでしょう。
4. 仙台市青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックの歯周病治療
仙台市青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックには日本歯周病学会・歯周病専門医が在籍しており、軽度〜重度の歯周病治療を行っています。
日本歯周病学会・歯周病専門医の資格は更新が必要であり、更新のためには学会での発表や研修会の参加など、新しい知識や技術の習得が必要です。そのため当院では歯科医療の進歩に合わせた歯周病治療をご提供しています。
また、院内で症例発表や研修会を毎月行っており、歯科医師、歯科衛生士、スタッフ一同がより良い治療を提供できるよう努めています。
歯周病治療は歯周病の進行度(重症度)によってすべき治療内容や治療期間が変わってきます。また、歯周病は一度罹患すると「完治」はしない病気です。そのため快適な生活が送れるレベルに症状を抑えるためには歯科医院で行う治療(CURE)とメンテナンス(CARE)、患者さんご自身がご自宅で行うメインテナンス(CARE)の両軸が大切です。
患者さんとのコミュニケーションを大切にし、患者さんのライフスタイルやライフステージに応じた治療やメンテナンスをご提案いたします。
歯周病治療は長距離走です。仙台青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックは患者さんが健康的なお口を取り戻すまで伴走し続ける歯科医院を目指しています。
▼医院ホームページ 歯周病治療紹介ページ
まとめ
歯周病は、進行してしまうと歯を失う原因にもなる深刻な病気ですが、初期の段階で発見・対応することで進行を食い止めることが期待できます。歯周ポケットの深さや出血の有無など、日常のちょっとした変化に気付くことが予防の第一歩です。また、日々の丁寧なセルフケアに加えて、定期的な歯科医院での検診とクリーニングが大切です。
仙台市青葉区周辺で歯周病のセルフチェックや予防についてお悩みの方は、ルミエールデンタルクリニックまでお問い合わせください。
監修:甲田 恭子