歯周病は「年配の方がなるもの」と思われがちですが、実は10代や20代の若い世代でも発症する可能性のあるお口のトラブルです。特に、初期の歯周病は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうこともあります。健康な歯を守るためには、年齢に関係なく歯周病について正しく理解し、予防に取り組むことが大切です。今回は、歯周病が発症する年齢や主な原因、効果的な予防方法について詳しく解説します。
1. 歯周病は何歳から始まる?
歯周病は中高年特有の病気と思われがちですが、実際には10代後半から症状が見られることもあります。特に20〜30代の若年層でも、歯ぐきの出血や腫れを経験する人が増えているため、早期の対策が重要です。以下に、歯周病について詳しく解説します。
①若い世代でも発症するケースがある
「思春期性歯肉炎」や「若年性歯周炎」といった歯周病の初期段階は、10代後半から20代の若年層に見られることがあります。生活習慣やホルモンバランスの変化が関係しており、気づかないうちに進行してしまう場合があります。
②自覚症状が少ないまま進行することがある
初期の歯周病は痛みが少なく、出血や腫れといった軽い症状から始まるため、本人が異変に気づきにくいのが特徴です。「歯磨きで血が出るけど痛くないから大丈夫」と放置してしまうと、歯を支える骨が徐々に破壊されてしまうことがあります。
③初期のサインを見逃さないために
以下のような症状がある場合は、歯周病の初期段階である可能性があります。
・歯ぐきが赤く腫れている
・歯磨きのたびに出血する
・口臭が気になる
・歯が長くなったように見える(歯ぐきが下がる)
・噛んだときに違和感がある
これらの症状は、軽度であっても早めに歯医者で確認してもらうことが大切です。
2. 歯周病の主な原因とは?
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの間に溜まったプラーク(歯垢)です。しかし、それ以外にも生活習慣や体質など、さまざまな要因が発症や悪化に関与しています。一般的な歯周病の原因を、以下に解説します。
①プラークの蓄積による細菌感染
歯の表面や歯と歯ぐきの境目に溜まったプラークの中には、歯周病を引き起こす細菌が多く含まれています。これが歯ぐきに炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで影響を与えるのが歯周病の基本的な進行メカニズムです。
②喫煙による血流の悪化
タバコに含まれる有害物質によって、歯ぐきの血流が悪くなる場合があります。そのため、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の発症リスクが高く、治療の効果も出にくくなるため注意が必要です。
③ストレス・睡眠不足などの生活習慣
ストレスや睡眠不足は、免疫力を低下させるだけでなく、無意識に歯を食いしばるクセを引き起こすこともあります。これが歯や歯ぐきに過剰な負担をかけ、歯周病を悪化させる一因になることがあります。
④ホルモンバランスの変化
思春期、妊娠中、更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期は歯ぐきが敏感になり、炎症を起こしやすくなります。特に女性は「妊娠性歯肉炎」などに注意が必要です。
⑤歯磨きの方法と頻度の問題
1日3回の歯磨きをしていても、磨き方に問題があると汚れが残ってしうことがあります。力任せに磨くのではなく、歯並びやブラシの当て方を意識した「正しいブラッシング」を心がけることが大切です。
歯周病は複数の原因が重なって発症するため、日常生活の中でリスク要因を取り除く意識が必要です。
3. 歯周病予防は何歳から始めるべき?予防方法も解説
歯周病は年齢に関係なく発症するため、予防は早ければ早いほど効果的です。10代からでも正しいお口のケアを習慣づけることが、将来の歯の健康を守る鍵となります。
以下に、歯周病の予防方法について解説します。
①正しいブラッシング方法を身につける
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。ただし、自己流の磨き方では歯垢が残ってしまったり、かえって歯ぐきを傷つけることもあります。ポイントは「やさしく、小刻みに、1本ずつ磨く」こと。特に歯と歯ぐきの境目を意識して、角度をつけてブラシを当てると効果的です。
②デンタルフロスを取り入れる
歯ブラシだけでは落としきれない汚れが、歯と歯の間に残ることがあります。これを除去するためには、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が効果的です。
③定期検診を受ける
目に見える症状がなくても、3〜6か月ごとの定期検診で歯ぐきの状態をチェックしてもらうことが大切です。歯医者では、専用器具を使ってプラークや歯石を除去する「プロフェッショナルクリーニング」が受けられます。これにより、セルフケアだけでは取り除けない汚れをリセットでき、歯周病予防につながります。
④ライフステージに応じたケアを
思春期、妊娠中、更年期などホルモンバランスが変化しやすい時期は、特に歯ぐきが敏感になります。このような時期には、より丁寧な口腔ケアや定期的なチェックが必要です。年齢や体調に合わせたケアを意識しましょう。
⑤食生活と生活習慣の見直し
栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減は、体の免疫力を高め、歯ぐきの健康を守る基盤となります。喫煙は特に歯周病を悪化させるため、禁煙も強く推奨されます。
歯周病の予防は、毎日の積み重ねと定期的なチェックが重要です。自分に合ったケア方法を見つけ、継続することが大切です。
4. 仙台市青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックの歯周病治療
仙台市青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックには日本歯周病学会・歯周病専門医が在籍しており、軽度〜重度の歯周病治療を行っています。
日本歯周病学会・歯周病専門医の資格は更新が必要であり、更新のためには学会での発表や研修会の参加など、新しい知識や技術の習得が必要です。そのため当院では歯科医療の進歩に合わせた歯周病治療をご提供しています。
また、院内で症例発表や研修会を毎月行っており、歯科医師、歯科衛生士、スタッフ一同がより良い治療を提供できるよう努めています。
歯周病治療は歯周病の進行度(重症度)によってすべき治療内容や治療期間が変わってきます。また、歯周病は一度罹患すると「完治」はしない病気です。そのため快適な生活が送れるレベルに症状を抑えるためには歯科医院で行う治療(CURE)とメンテナンス(CARE)、患者さんご自身がご自宅で行うメインテナンス(CARE)の両軸が大切です。
患者さんとのコミュニケーションを大切にし、患者さんのライフスタイルやライフステージに応じた治療やメンテナンスをご提案いたします。
歯周病治療は長距離走です。仙台青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックは患者さんが健康的なお口を取り戻すまで伴走し続ける歯科医院を目指しています。
▼医院ホームページ 歯周病治療紹介ページ
まとめ
歯周病は年齢を問わず誰にでも起こり得る病気で、自覚症状が乏しいため気づきにくく、進行すると歯を失う原因になることもあります。若いうちから正しい歯磨き習慣を身につけ、定期検診を受けることで、歯周病の予防・早期発見につながります。また、生活習慣やホルモンの変化など、個人のリスクに合わせたケアも大切です。
仙台市青葉区周辺で歯周病にお悩みの方は、ルミエールデンタルクリニックまでぜひご相談ください。
監修:甲田 恭子