インプラント治療は、天然の歯と同じような見た目と機能を取り戻す優れた方法です。しかし、稀に何らかの原因でインプラントが取れてしまうことがあります。インプラントが取れてしまうと、驚きや不安を感じる方も多いでしょう。
今回は、インプラントが取れた際の緊急時の対処法や原因、治療の流れ、再発防止のための日常ケアについて詳しく解説します。
1. インプラントが取れたらまずどうする?緊急時の応急処置
インプラントが取れてしまったとき、まず冷静に対応することが大切です。焦らずに次の手順で応急処置を行いましょう。
①取れたインプラントを清潔に保つ
インプラントの上部(人工歯冠)が取れた場合は、落としたり紛失しないように注意し、できるだけ清潔な状態で保管します。とても小さなネジが取れている可能性もあるため注意しましょう。
②歯科医院に連絡し早めに受診する
インプラントが取れたことを確認したら、速やかにかかりつけの歯科医院に連絡し、できるだけ早く受診の予約を取りましょう。インプラントの状況や、残っている部分の状態に応じた適切な処置が必要です。
また、飲み込んでしまった場合は、胃腸、もしくは呼吸器の精査が必要なこともあります。歯科医師の指示に従って、内科を受診することもあります。
③出血がある場合は、ガーゼやタオルを噛む
インプラントが取れた際に、出血が見られる場合は、タオルか清潔なガーゼで噛んで止血を図ります。
歯科医院を早めに受診しましょう。
また、うがいをしたい場合は、軽くすすぐようにしてください。強くすすぐと出血が増すことがあります。
吐き出した水の中にインプラントのパーツが出てくるかもしれませんので、注意してすすいでください。
2. インプラントが取れる原因とは?考えられる要因を紹介
インプラントは耐久性を持っていますが、さまざまな要因により稀に取れてしまうことがあります。ここでは、インプラントが取れる主な原因について見ていきます。
①インプラント周囲炎(歯周病)
インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯ぐきや骨が炎症を起こし、最終的にはインプラントが緩んで脱落してしまうことがあります。歯周病と似た症状で、プラークや歯石がインプラント周囲に溜まることで発症します。炎症が進行するとインプラントの固定力が弱まり、インプラントが取れる原因になります。
②噛み合わせの力の問題
歯ぎしりや食いしばりなど噛み合わせの力が強いと、特定のインプラントに過度な力がかかることがあります。インプラントには天然歯のような柔軟性がないため、過剰な負荷がかかると破損または取れる原因になります。
③事故や外からの衝撃
強い衝撃や事故により、インプラントが破損または取れることがあります。スポーツ中や転倒などで顔面に衝撃が加わった場合にも、インプラントが緩んで取れる可能性があります。
3. インプラントが取れた後の対処法と治療の流れ
インプラントが取れた場合の治療は、状況や原因に応じて異なりますが、一般的な治療の流れを以下にご紹介します。
①診察と原因の特定
歯科医院でインプラントの状況と取れた原因を確認します。インプラント周囲の歯ぐきの状態や骨の吸収度合い、噛み合わせの確認などを行い、再装着が可能か、今後の治療方針を検討します。
②インプラントの再装着
人工歯冠やアバットメント(中間部品)までの脱落で、インプラント体(骨に埋め込まれた部分)が問題なく安定している場合は、取れた部品を再装着します。通常のインプラント治療と比べて負担が少なくすむことが多いです。
③インプラント周囲炎の治療
もしインプラント周囲炎が原因でインプラントが取れた場合、インプラント体ごと取れることが多いです。
まずは炎症を抑える治療が必要です。歯科衛生士によるクリーニングや、歯周組織の治療が行われ、必要に応じて抗生物質が処方されます。
その後、再度インプラントを埋め込む処置から必要になることがあります。場合によっては、骨が不足している箇所に骨移植を行い、骨の再生を待ってから新しいインプラントを装着することもあります。このケースでは数ヶ月かかることもあります。
4. インプラントが再び取れないための予防策と日常のケア
インプラントが取れてしまわないよう、日常のケアと定期的なメンテナンスが重要です。以下は、インプラントが安定して長持ちするための予防策とケアのポイントです。
①毎日の口腔ケアを忘れずに行う
インプラント周囲炎の予防には、日々の口腔ケアが欠かせません。歯磨きだけでなく、フロスや歯間ブラシを使ってインプラント周囲の清潔を保ちましょう。特に、インプラント部分はプラークが溜まりやすいため、丁寧な清掃が必要です。
②定期的なメンテナンスを受ける
インプラントは天然歯と異なり、神経がないため痛みを感じにくいです。インプラント周囲炎が進行しても自覚しづらいため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが重要です。またインプラント周囲に汚れも溜まりやすくなります。3〜6ヶ月に1度の定期検診を心がけ、インプラントの清掃と状態確認をしてもらいましょう。
③ナイトガードの使用
夜間の歯ぎしりや食いしばりがある場合は、歯科医院で相談し、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討しましょう。噛み合わせの調整も含めて行うことで、インプラントおよび噛み合う歯にかかる負担を減らし、再脱落の予防に役立ちます。
④適度な生活習慣と食生活の改善
インプラントの定着には、全身の健康状態も関係しています。過度な飲酒や喫煙はインプラント脱落のリスクを高めるので、控えるようにしましょう。また、カルシウムやビタミンDを含む食品を積極的に摂取し、骨の健康をサポートすることも大切です。
5. 仙台青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックのインプラント治療
仙台青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックではカウンセリングを通じて患者様のお口の状況や患者様ご自身のご意見もお聞きした上でインプラント治療の提案をいたします。
インプラント治療はメリットだけでなくデメリットもありますので、しっかりと説明させていただきます。
また、日本歯周病学会・歯周病専門医が在籍しているため歯周病で歯を失った患者様におけるインプラント治療にも対応しています。
日本歯周病学会・歯周病専門医の資格は更新が必要であり、更新のためには学会での発表や研修会の参加など、新しい知識や技術の習得が必要になります。そのため仙台青葉区上杉の歯医者 ルミエールデンタルクリニックの治療は歯科医療の進歩に合わせた治療をご提供しています。
治療前により正確な診査・診断を行うための歯科用CTやデジタル技術(3Dシミュレーション解析など)の活用や、経験豊富な歯科医師による手術、術後のメンテナンスにより、可能な限り患者様が快適なお口の健康を維持できるよう歯科医師、歯科衛生士、スタッフ一同患者様のサポートを徹底しています。
まとめ
インプラントが取れてしまった場合は、まず冷静に応急処置を行い、速やかに歯科医院に連絡、相談することが大切です。
インプラントが取れる原因には、インプラント周囲炎や噛み合わせの不良、骨の定着不良などが考えられます。安定したインプラントを維持するためには、日常の口腔ケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。
仙台市青葉区の歯医者 ルミエールデンタルクリニックでは、インプラントのメンテナンスにも対応しています。仙台市でインプラント治療にご興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修:甲田 恭子